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【ユベオツボディビル記事55】
トレーニングシステム8×3法
解説編・改定版

(平成28年3月)
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トレーニングシステム8×3法(ハチサンホウ)とは初心者から上級者まで基礎筋力・筋量を短期間・長期間に確実に発達する事が出来る画期的なトレーニングシステムです。

 方法はシンプルで簡単なメインの固定重量方式とサブのスロートレーニングを採用しています。
メイン
8回を3セット をクリアしたら、次回の使用重量2.5キロをアップし8回×3セットクリアを目指します。 頻度は一部位週2回までとします。 スロトレは目的により10回前後を1〜3セット行います。

 固定重量方式のため、自己分析がしやすく、ピラミッド式や他の方法と違い使用重量アップのタイミングが明確です。

サブのスロートレーニングは、筋力重視のメイン種目で逃げやすい刺激を得る事ができ、成長ホルモンなどの内分泌を高めるため、筋肉の修復、合成を高めます。

スロトレは使用重量が軽いため、関節の負担を軽減しますが、強度は高いので、満足感・充実感も得る事が出来ます。 従来オーバートレーニングによる自律神経アンバランス化を緩和し、正常な内分泌等により基礎筋力・筋量をアップする事が可能となります。 基礎筋力をアップし、栄養計画により基礎筋量をアップする事も容易です。(目的により、栄養摂取の増減で筋量の調整が可能です)

 従来の量トレーニングは、やればやる程、発達するとの精神論が強く根付いているため、オーバーワークによる発達の停滞、疲労によるフォームの乱れで怪我のリスクが高くなりますが、固定重量方式の8回3セットは精度の高いフォームを維持し易いため、筋肉の刺激が効率的で怪我のリスクを緩和することが出来ます。

 発達のメカニズムはオーバーワークを緩和することで自律神経バランスを整え、栄養の質・量を計画的に摂取し、腸内環境をアップする事で体調を整え 腸内フローラ・免疫力・自然治癒力・筋肉合成 がアップするため筋肉の発達が容易となります。

スロトレにより筋肉内に発生した多量の乳酸が成長ホルモン・男性ホルモンの分泌を通常の数倍〜10数倍得る事が可能となります。 (脂肪の燃焼も促進)ダイエットにも応用し効率的な脂肪燃焼も可能です。



【トレーニングシステム8×3法の実技解説】

ベンチプレスの場合
 ウォーミングアップ 2〜3セット 季節より増減します。(乳酸を貯めない)
最後のセット80〜90%の重量でフォームを確認し6RM以内とする。

 8RM出来る重量を前もって確認しておくこと。(最初は楽にできる重量可)
それでは8回×3セットのスタート!

 (例) 100キロを8×3セットを精度の高いフォームでクリア出来たら次回から2.5キロアップして102.5キロに挑戦します。 上げ幅はたった2.5キロです。(以上でも以下でもNG)

 インターバルは3分〜10分とします。 使用重量アップに伴いインターバルは長くとる必要があります。 10分以上は筋肉が冷えるなど怪我のリスクが高いためと、3セットトータルの時間が強度を左右しますので長すぎると強度が下がるためNGです。

 8回×3セットをクリアできなかった場合は次回も同重量で再チャレンジします。
(例) 1セット目8回 2セット目8回 3セット目7回は次回も同重量

 応用編としてメイン8×3を2種目することも頻度により可能です。 一部位、週1回の場合は、強度不足となり易いため、発達状況に応じ8×3を2種目追加検討ください。(改定前の8×3は2種目でした)

 8×3法は 1クール3ヶ月間行い、養生期(1か月間) に入ります。(※厳守)
3ヶ月間に急激に発達した筋肉はオーバーワークとなり易いため、一度クールダウンします。 治療やリラクゼーションなどを積極的に取り入れます。 この期間は、頻度を抑え、到達した使用重量の80〜90%を2セットとしセット数を落とします。 最高重量や他のトレーニング法を楽しむこともOKです。 8×3再開時には最後の使用重量より、5〜10キロ下がりますが、すぐに戻りますので安心ください。



【スロートレーニング解説】

(ベンチプレスの後の種目例) ダンベルフライの場合は普通の稼働で8〜12回出来る重量の約半分で行います。 ダンベルフライ 35キロ8回 → 17.5キロ(スロトレ重量)。

 1RMの動作を3秒かけて下し、3秒かけて挙げていき、1秒待って又3秒かけて下します。 コツは1センチ毎稼働していくイメージです。 ※インターバルは1分以内とします。

 メインの8×3種目は基本、固定としますが、2種目目のスロトレは種目を毎回・毎セット変えても構いません。
(例) 1セット目・ダンベルフライ 、2セット目・ダンベルプレス、3セット目・インクラインダンベルプレス



【トレーニングシステム8×3法の要点】

 メインの大筋群の種目選定は高重量を扱う事が出来る複合関節種目を基本としています。 スクワット・デッドリスト・ベンチプレスなどは高重量を扱えるパワーリフティングのフォームを推奨しておりますが、柔軟性や身体的個体差があるため、自分に合ったフォームを選択してください。 高重量を扱い、怪我のリスクが少ないフォームであることが望ましいと考えます。フォームは十分な研究が必要となります。

 全てに共通ですが、精度の高いフォームを維持することで筋肉の稼働率を挙げる事ができ、怪我のリスクを軽減できます。(レフパワー)

 チーティング(反動や補助筋肉群を利用する事)は種目にもよるが、セット後半のレップスまで使用しないように努める事が肝要です。 バーベルカールなどは自分の体重に近い重量を使用するには多少のチーティングが不可欠となりますが、ネガティブ動作で精度の高いフォームを行うことで刺激を得る事が可能となります。

 8×3法の大きな特色は自己分析がしやすい事があげられます。固定重量方式だからこそ分析が可能となります。

(例) 1セット目に100キロ8回、2セット目6回、3セット目5回 とセット毎にレップ数が低下する。
↑ この場合はエネルギー不足・フォーム・怪我が考えられます。 その他、ウエイトのコントロールを抜きすぎ・利かせすぎが考えられます。

(例) 1セット目7回、2セット目8回、3セット目8又は7回 とレップ数がやや不安定になる。
↑ この場合はウォーミングアップ不足、フォームが考えられます。

 停滞期(壁)3ヶ月間の中で2週間以上使用重量がアップ出来ないことがあります。

(例) 97.5キロ、107.5キロ、117.5キロなど切れの良い数字の前段階で中々クリア出来ない。
↑ この場合は精神的な影響があるため、焦らずフォーム・インターバル・頻度・栄養・怪我・病気などのチェックをしてください。

(例) 8×3期2か月間を過ぎた頃、使用重量が全く止まってしまった。
↑ この場合はオーバーワークをまず疑ってください。 睡眠は取れているか・食欲はあるか・体重の増減は・排泄は毎日かなどをチェックしてください。 当てはまる場合はオーバーワークとなっているので、頻度を抑える事やリラクゼーションをすることで解決に向かうはずです。 前項のチェックも合わせて行ってください。

 壁(スランプやプラトー期)を利用する事も長期的な発達のテクニックの一つです。 自ら切れの良い数字の時に2週間ほど同じ重量を続けます。 階段の踊り場をイメージすると解りやすいと思います。 階段を上って踊り場で一息つき、次の階段を上るための息継ぎとするのです。 登山でも気圧に慣れるため、同じ高さで一定期間を過ごすことで更なる標高に順応出来る身体を作ります。 特にパワー競技ではこのテクニックは活きると思います。



【栄養の摂取】

 栄養摂取は筋肉の合成だけではなく、健康的にトレーニングできる身体作りを提案しています。 分子栄養学(三石理論)を基本とし、メガビタミン・メガタンパク質・ミネラルバランスを柱に計画しています。

しかし、プロティンやサプリメントの大量摂取が筋肉の発達の全てとは考えていません。 質の高い炭水化物・プロティンスコア100に近いタンパク質・ビタミン・ミネラルの豊富な野菜・良質の油脂を出来るだけ食物より摂取したいと考えますが、現実的な選択も柔軟に考えて提案しています。
 
 炭水化物はエネルギー源として非常に重要な位置を占めているだけではなく、タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維も同時摂取できる素材ですので、選択には十分な検討が必要です。

[お奨めプラン]
白米80%に玄米10%大麦5%雑穀5%を混ぜることで良質の炭水化物に変えることが出来ます。 血糖値の急上昇を抑えることが出来、脂肪増を軽減できます(お好みに合わせてブレンドしてください)。

納豆と一緒に摂取する事で米に不足する必須アミノ酸を補うことが可能です。パン類は全粒粉を使用した物を選択したいものです。

 タンパク質は肉・魚・卵などの動物性タンパク質と植物性タンパク質を万遍なく摂る事で血液の酸性化を軽減します。

動物性タンパク質の大量摂取は腸内環境の悪化を招くだけではなく、酸性化した血液を中和するために骨より溶け出したカルシウムがストレスや炎症により、異所石灰化(動脈硬化・脳梗塞)や筋肉の痙攣などを原因となります。 特に筋肉の痙攣はアスリートにとっては絶対に避けたいものです。

 ビタミン・ミネラル・食物繊維は極力食物から摂取したいものです。 食物繊維は野菜・海藻に多く含まれるため、食事に量・質ともに摂取すべきです。

分子栄養学の柱となるビタミンCの大量摂取は一日数回に分け、3000r前後の摂取を推奨します(体調により増減)。

水溶性ビタミンのビタミンCは分子構造が天然と変わらないため、サプリメントで補うことが合理的で現実的です。

[ビタミンCの効用] は多種多様に渡りますが、簡単に羅列します。
抗酸化・抗炎症・免疫力アップ・ビタミンEとの相乗効果による抗酸化糖代謝・血糖減らす・抗ストレス・鉄吸収アップ・カルシウム吸収、代謝抗ヒスタミン・コレステロールの適正化・中性脂肪を減らす・脳機能改善ウイルス不活性化・病原菌殺傷・がん予防・利尿作用・便を柔らかくするコラーゲンの合成・アミノ酸の代謝、合成・風邪予防他まだまだ限がありません。 安価で手軽でこれ以上のサプリメントはないでしょう。

[ミネラルバランス] のうち、カルシウムとマグネシウムバランスは細胞内のスイッチの役割を果たしています。通常2:1のバランスが一般的ですが、1:1に近い割合を推奨しています。

現代人はストレスが多い環境にあるためと、マグネシウム含有食物の摂取 不足が深刻化していると考えます。逆にカルシウムは過剰状態となっており、カルシウム摂取に乳製品が広く知られておりますが、カル・マグバランスは11:1であり、筋肉を動かすのは逆効果であり、骨の再石灰化などにも影響があります。 マグネシウムの多い食品は雑穀類、種子類、豆類(大豆)、海藻類、魚類、抹茶、野菜等ですのでご研究ください。

 油脂は細胞膜、ホルモンの材料となるため重要です。 飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸、多可不飽和脂肪酸)があります。

※ 注意すべきはサラダ油・マーガリン・ショートニングなどです。 これらの油脂はがん・うつ・認知症・糖尿病などの最大の要因として
《トランス脂肪酸》 が含まれており、現実的には100%摂取を防ぐ事は無理ですが、減らすことは可能ですので留意してください。

飽和脂肪酸は主に動物性油脂のラード・バター、肉の中に含まれております。

注意事項として運動前の多量の肉類の摂取や動物性プロティンの摂取は消化にエネルギーを消費するため、効率的な運動能力を発揮できません。 特に日本人は脂質消化酵素が少ないためにです。

[不飽和脂肪酸]
多可不飽和脂肪酸のオメガ3・オメガ6・オメガ9があり、オメガ3は細膜を柔らかくし、酸素・栄養の吸収・老廃物の排出を容易にしますが、オメガ6は細胞膜を硬くし、両方のバランスが大切になります。 トレーニング後の炎症を抑える役割としてオメガ3が必要となります。 その他にもオメガ3の効用は沢山ありますので要研究してください。

[オメガ3脂肪酸が多く含まれる油脂] αリノレン酸・EPA・DHA
亜麻仁油、えごま油、シソ油、青魚に多く含まれておりますので食事に取り入れることでトレーニングの効果をアップさせることが出来ます。

[オメガ6脂肪酸が多く含まれる油脂] リノール酸
サラダ油に多く含まれ、サラダ油、揚げもの用油、マヨネーズなど多種多彩に使用されているため、摂取には気を付けなければ過剰となります。 特に製造の過程でトランス脂肪酸が生成されるため、要注意しなければなりません。

[オメガ9脂肪酸] オレイン酸
オリーブ油に多く含まれ、酸化しにくいため、比較的高温で使用できます。 低温圧搾工法(コールドプレス)のエキストラバージン・オイルでなければ良質のオレイン酸を得る事は難しいようです。

全ての油脂に言えるのは、良質のものは酸化しやすいため着色した瓶に入っていますので留意ください。



【養 生】

 養生期とは別に、トレーニングシステム8×3法の特色の一つとしてリラクゼーション があげられます。 発達するために必要な「ほどほどの強度」を行うことは、新進代謝の活性・自律神経のバランス・腸内環境アップを維持し、筋肉の合成を高めます。 上記を維持するにはリラクゼーションの活用を重要と考えています。 リラクゼーションは自由に選択してかまいません。 様々なリラクゼーションがありますが、簡単に出来、継続出来る方法を選択しましょう。

[継続リラクゼーション一例]
ストレッチ・ゆる体操・丹田呼吸法・瞑想・ウォーキングなど単発的なリラクゼーション温泉・マッサージ・鍼灸・断食・森林浴など。

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